雑音を纏いながら。 -6ページ目

フロイデとふるさと


雑音を纏いながら。-1万人の第九


本番が終わってから、もう1週間が経ちました。


総リハから本番までの2日間は、本当にあっという間で、

1万人のうちのひとりとして、わー…と思っている間に終わったような感じです。



今年は、被災地の詩の朗読から始まり、

仙台との中継があり、

あーやの歌にじーんとしている間に、第九。


佐渡さんは泣き虫で、

あーやがしっかり者の娘、というような良いコンビでした。



Freude!

Bruder!


1万人のパワー。


大げさかもしれないけど、

こんなに一生懸命、ひとつになって歌おうとする人たちが1万人もいるんなら、

日本は大丈夫だろうって、思いました。


喜びや悲しみを、みんなでバトンタッチしていけば、

誰かひとりがつらい、ずっと苦しいということは、

なくなるんじゃないかな…。


全世界が兄弟になることは、難しいかもしれない。

だけど、

佐渡さんが言ってたように、

まずは、隣の人と気持ちを通わせられたら、それがつながっていけたらいい。


まず、自分のことを大切にして、

それから、近くにいる人に心を配っていけたらいい。


強く、祈るような気持ちです。



第九のあとに、仙台の方々と一緒に「故郷」を歌いました。


歌詞を意識したことなんて今までなかったけど、

心に染み入りました。


やっぱり、帰りたいのはふるさとなんだと思う。




……正直に言ってしまうと、

自分の生活に日々追われる中で、

震災のことが、過去のことになりつつありました。


被災地の方にとっては、今もずっと続く現実なのに、

少し離れているだけなのに。


こうして、

機会を設けないと忘れてしまいそうになる自分が、

特別薄情だとは思わないけど、

でも、これじゃあダメだと思いました。



ひとりの力は小さいかもしれないけど、

私にもまだ、できることはあるはずだから。




***


「故郷」


1.
兎追ひし 彼の山
小鮒釣りし 彼の川
夢は今も 巡りて
忘れ難き 故郷


2.
如何(いか)に在ます 父母
恙(つつが)なしや 友がき
雨に風に つけても
思ひ出づる 故郷


3.
志を 果たして
いつの日にか 帰らん
山は靑き 故郷
水は清き 故郷



ファ#は絆の音

いよいよ日曜日が本番です。



今年は、念願だった1万人の第九へ通っていたのです。

夏から始まったレッスンは、12回なんとか皆勤賞。


群馬に行く日は、10分前に抜けて地下鉄で難波へ走り、

文化祭の日は、呼び込みで喉を痛めつつも歌う。


練習会場では、1番前をキープ。

ほんとに、毎週日曜日が楽しみで、

やっぱり歌うのって気持ちいいし、ストレス発散にもなるって感じてました。


ドイツ語の発音は難しいし、

勉強でぎゅうぎゅうの脳みそに歌詞は入らないし、

しかも、今週になって風邪をもらってしまって鼻声なんだけど、

もう、本番です。



合唱、久しぶりだったけどほんとに楽しい。

いつも隣に座るおばちゃんと仲良くなって、

黒のロングスカートを貸して頂いたりして。


なんかねぇ、

学校の他にもこういう居場所があるのって、いいねぇ。



先週は佐渡レッスンで、

800人で歌ってきました。

800人でもすごい迫力です。


佐渡さんは、テレビで見るより天才肌という感じでした。

今年は震災があったので、

もしかしたら、いつもと雰囲気が違うのかもしれません。


歌は祈りであって、

世界の人々は兄弟である!という力強いメッセージが全面にある第九。


ドイツ語で、

イマイチぴんときてなかったけど、

佐渡さんのお話を聞いて、そんなに壮大なストーリーだったんだって、思いました。



歌っていいな、

こんな風に、一生懸命歌う人たちっていいな、そう思います。


中には、ものすごーく音程を外す人もチラホラいるんだけど、

そういうのもひっくるめて、

なんというか、こう、あったかいのです。


ぴんとこないけど、

練習の中で、みんなで手をつないだり、肩を組んだり、

自然と笑顔になって、気持ちが通じ合う感じがするのです。



明日は城ホールで総リハがあって、

日曜日には、朝早くから集合して。



Freude!

Bruder!


しっかり歌ってきます。



トリコテ・ワールド

雑音を纏いながら。-ニット帽


解剖のノートを作って、内科学をまとめ直して…。

やらなきゃならないことが、夢に出てくるほどあるのに、編んでいます。


去年編んで、ほったらかしてあった帽子。

縁をかぎ針でふりふり編んで、ついでに赤いバラをつけて完成。

ほんとは、ボタンを付けるらしいけど、

このままだとちょうど耳まで隠れるからあったかい。



雑音を纏いながら。-アランのベスト


これは、おばあちゃんが入院してた時、

よく付き添って編んでたセーター…だったはずのもの。


今年、私の中でベストブームが起こってるので、

袖をほどいて、ベストに変形。

だから、微妙に肩口が変だけど、まぁ自分の着る分だからよし。


この、ちょっとおしゃれなアラン模様に一目惚れしたのです。



雑音を纏いながら。-アームウォーマー


そして、今年も妹にネックウォーマー。

これも、アランを気に入って(生命の樹が好き)。


ボタンホールは作らず、小さめのボタンを付けて、

伸びても対応できるように。



***

編みものは、ほんとに楽しい。


狭い世界、近い距離の人間関係に疲れてきて、

1ヶ月くらい、山にこもってずーっと編みものをしたい、と思う。


じっくり編める時間はないんだけど、

教科書の少ない日は、編みものセットを持って行って、

電車で運良く座れたら、トリコテ・ワールド展開中。



最近は、

エリック・サティかヤン・ティルセンあたりを聴きつつ、

片道1時間ずつくらいは夢中で編んでます。



向かいに座った派手な女の子が、

「おばあちゃんにマフラー編んでもらおっと」と言い合ったりしてるのを聞いて、

心癒されてます。