境界が薄れる時 | 雑音を纏いながら。

境界が薄れる時

※ 暗い話ですので、苦手な方、引きずられそうな方はスルーしてください。 




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去年の春頃まで、お付き合いしていたサマーさんが、

自死を図って、救急車で運ばれたそうです。。。



もうずっと連絡を取ってはいないのですが、

職場の先輩から、ちょこちょこ彼の話は聞いていました。


家も近いし、時々あのレモンイエローの車を見かけたりして、

元気にしてるんだって、私は思っていました。



だけど、年末に、

うつで休職したよって聞いて。

実は、もともと既往歴もあったみたい、と。


その時も、私はかなり落ち込みました。


1年近く、一緒に過ごしたのに、

自分が気づけなかったこと、何もできなかったことに。


真面目な人だなぁ、と思うことはよくあったけど、

でも、そういう風には見えなかった。

わからなかったです。



その後、復職したよ、というのを聞いて、

良かった、大丈夫になったんだとほっとしていました。


だけど、大丈夫じゃなかったんだ。




私は早い段階で、

自分自身が精神的に脆いところがある、まだ今も波があるということを、伝えていました。

そういうのがムリなら、たぶん、お付き合いは難しいと思う、と。


その時の彼の反応は、そんなに大きいものではなく、

ただ普通に、受けとめてくれたのかな、と感じました。


よく考えたら、この告白もかなり身勝手なもの。



今にして思えば、

掬い取れるサインがあったのかもしれないです。


あまり、自分のことを話す人じゃなかったけど、

時々、ゆっくり愚痴をこぼすことがあったこと。

私は、しっかり聴いてたけど、話し終わった後に彼が、

「誰かに聴いてもらったら、少しはスッキリするかと思ったけど、そうでもないんやな…」

と、ぽつっと零したこと。


あれ、本当に本心だったんだろうな。



あの時、もっとしっかり汲み取っていたらとか、

別れた後も、音信不通にしていなければとか、ずっと、ぐるぐる思っています。


私では、力不足だったんだろう。。。




手首を切ったとか、薬を飲んだとか、

失敗を想定できる方法ではなかったらしいです。


本当に、ずっと、しんどかったんだろうなぁ。



なにが原因なのか、

なにがきっかけなのかわからないので、

断片的な情報だけで、勝手に落ち込んでいます。



どこかで生きていてくれたらいい、

元気じゃなくてもいいって、思う。


でも、それも私の自己満足というか、エゴなのかもしれない。


生きてるのが辛い人を、こちら側に引き留めるのは難しいと思う。



私も、死にたくなって、死のうとしたことがあるから、

少しだけ、あの感じがわかります。

長いこと封印してたけど、去年の夏から思い出すことが多くてきついです。



あの頃、10代のおしまいの頃は、

生きてるのが本当に辛くて、でも、死ぬ元気もなくて、

惰性で、生きてる方に傾いて、ただ時間だけが流れていました。


積極的に生きているわけでも、死んでいるのでもなく、

ふたつの境界がすごくあやふやで、それなら死んだ方がマシなのかも、と、

ふらふら思って、薬をたくさん飲んでしまったんだと、今なら思います。


ぷちぷちと事務的に薬を出して、ペットボトルでラッパ飲みして、

それで、居間に横になって、起きあがれなくなって。



なんにも考えてなかったと思う。


感情が鈍磨しすぎて、気持ちと解離して、

横たわってる自分が、少し離れて見えていただけでした。



結局、私は死なずにこちら側に残り、今を生きています。



今なら、あの時死ななくて、死ねなくて本当に良かったと、心から思える。

だけど、今が辛い人は、しんどいだろうな、とも思います。



そのしんどさを知ってるのに、サマーさんに、なんにもできなかった。


私がこうして落ち込んだ分だけ、

彼が浮上したらいいのに。。。



サマーさんが生きてるという、

微かな希望を、私は大事にして、またしぶとく生きていくんだろうなぁ。


本当に、身勝手でどうしようもないけど、

でも、生きていくってそういうことなのかもしれない。



またいつか、

どこかであの車を見かけられる日が来ること、祈っています。